君は「宣伝会議賞」を知っているか?
今回長いです。おまけに自分語りも多いので覚悟してお読み下さい。
さて、タイトルの繰り返しとなりますが、皆さんは「宣伝会議賞」というものをご存知でしょうか?
毎年この時期に行われているのですが、今年は9/2から応募開始、11/6が応募締切というスケジュールになっているようです。
どれ程の知名度があるのかさっぱりわからないので一応説明しますが、一言で言うと公募タイプの広告賞です。
スポンサーにもなっている企業の広告キャッチコピー案 (あるいはCM案) を考えて応募するのですが、他の賞との一番の違いは応募資格が特に制限されていないことですね。
念のため説明するとキャッチコピーとは広告に添えられる短い文章や煽り文句のことです。有名なところだとJRの「そうだ京都、行こう。」とか、もののけ姫の「生きろ。」とかですかね。
話を戻しますが、要するにこの「宣伝会議賞」は公募なので誰でも応募することができます。一般的な広告賞ってその業界関係者というかプロが実際の仕事の中で優劣を競うものが多いんですけど。
その為、広告業界 (というかクリエイター) を目指す意識高い学生さんや、業界に転職を目指す人たちが力試しに応募することが多いようです。業界若手の人も登竜門として応募すると聞いたことがあります。数年前からは「中学生部門」なんてよくわからないカテゴリもあるみたいですね。学校の課題として取り組むのもいい勉強かもしれません。
ちなみに一般部門最優秀賞の賞金は100万円となっております。
この賞の業界における位置付けなんてのは僕にはわからないのですが、50年以上も続く歴史ある賞ですし、調べたところ昨年は計54万点もの応募があったようです。凄い数だ。
さて、この宣伝会議賞ですが、私こと負け犬も実は過去にチャレンジしたことがあります。学生時代だったのでもう10年以上前ですが。
もちろん賞なんて取れなかったんですけど、二次審査は通過しました。といってもよくわからないと思いますので昨年の状況を調べたらこんな感じです。
応募総数54万8258点を記録した第56回「宣伝会議賞」。一般部門 総応募数の51万7329点から5555点まで絞られた一次審査を経て、次なる関門の二次審査を通過したのはコピー部門594点、CM部門79点の計673点。二次審査通過作品を対象に行った三次審査では、コピー部門161点、CM部門56点の計217点が通過しました。
僕が応募した10数年前と比較して今は応募数自体が結構増えているので参考にしかなりませんが、これを見ると二次通過するだけでも594/517,329という狭き門。パーセンテージにすると約0.1%です。えっへん。
で、この「宣伝会議賞」はその名の通り「宣伝会議」という比較的マイナーな出版社が主催しているのですが、この会社は賞や出版業とは別に各種セミナーも開催しています。
初応募で二次審査をうっかり通過した僕は気を良くし、その翌年から「コピーライター養成講座」に通い始めました。
大学3回生の春という、その後の就職を考えると極めて重要な時期だったので親父は本気で反対してくれましたが、当時の僕は普通ではない何者かになりたかったのだと思います。
結論を言うと結局僕は何者にもなることができず、その後普通に就職しました。今の仕事は広告業界ですらありません。
客観的に見ればコピーライター養成講座は時間とお金の無駄だったのですが、あの時期に大学の勉強以外の課題をこなしながら同年代の目がギラギラした他の塾生達と切磋琢磨できたのは、僕の人格形成にとってとても有意義な体験でした。それがよかったのか悪かったのかは今議論しても無意味なので横に置いておきますけど。
兎にも角にも、当時確か10数万の講座代を払って、週1で京都から大阪まで通って手にしたものは数本の金色のエンピツでした。
ふと思いだした家を探したら、なんと3本残っていました。あと何本かあったはずなのですが、一発芸か何かで使ってしまった記憶があります。ちなみに背景がコブラなのはなんとなくかっこいいと思ったからです。
このエンピツは非売品なんですけど、これが何かという説明はしません。今の僕にとっては特に意味のないものだし、たぶんヤフオクで値が付くようなものでもないので。
ほらね
ただ、改めてこの安っぽい金色のエンピツを眺めているとなんだか言葉に出来ない様々な感情が湧いてくるのを感じました。いや正確に言うと頭の中にずっと溜まっていたものがエンピツを触媒にして、表に溢れ出てきたんだと思います。
物凄いドロドロとした感情の濁流のようなものにうっかり飲み込まれそうになりましたが、こんな時はどうすればいいか?僕はその答えの一つを知っています。
蓄積されて変形して熟成あるいは発酵している色々な思いや経験やあれこれを、僕の中にあるフィルターを通すことによって違う言葉に置き換え、解放すればいいのです。
僕が誰に宛てるでもないこのブログを書いているのも実はその「儀式」の一環だったりするのですが、キャッチコピーを考える作業というのは更に高度な変換作業が必要となります。大変ですが、その分確実に心は軽くなっていきます。
なんだかスピリチュアルというか宗教臭い話になってしまいましたけど、そんなわけで今年は僕も宣伝会議賞にまたエントリーすることにした次第です。
応募も今は特設サイトからスマホやPCを使ってWeb上で出来るんですね。以前は紙に印刷して封筒で送っていました。時代は変わっている。置いていかれているのはいつまでたっても僕くらいのものだ。
長々と大層なこと書いてきましたが、もちろん半分以上は口から出まかせです。この前たまたま宣伝会議賞のことを目にしたんですが、賞金100万円に惹かれてまた応募することにしました。
皆さんもチャレンジしてみませんか?いい暇つぶしになりますよ。
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