負け犬のオーボエ

負け犬です。料理、WEB小説、英会話、ときどき株など、Amazon.co.jpアソシエイト

インドでの長い一日

インドの話をします。

 

先に書いておきますが、意味なく長い割に特に秀逸なオチや感動ネタもありません。読んでおくといつかどこかで何かの役に立つことはあるかもしれませんが、その点ご了承の上でお読みください。

 

去年、仕事のプロジェクトの関係で嫌々インドに出張しました。もうそれが4回目のインドだったんですけど、行く度にカレーが嫌いになっていきます。もうカレーなんか週に一度くらいしか見たくないですね。

 

いつもはデリーを中心に動くのですが、その時は何かの都合でやや変則的な動きとなり、ANAで成田からムンバイへ行ってそこからトランジットでチェンナイに移動するという旅程でした。

 

一応、文中の主要都市の位置関係と経路はこんな感じです。

 

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で、9時間近くかけてムンバイに着いたのですが次に乗るエアインディアの便は3時間後。

眠くもないしお腹も減ってないのですが、やることもないので空港内でダラダラしていました。

そうこうしていたらいい時間になってきたので離着陸予定のモニターを見ると、次に搭乗する便がDelay (遅れ) となっています。

もう日本時間では夜中の12時ごろ。やれやれと思いながら少し小腹が空いたので何か食べることにしました。インドでは短距離の国内線でも必ず機内食が出ますがどうせ美味しくないカレーなので。

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写真残ってました。だいたいこんなのです。

 

フードコートみたいなところに行くとピザハットがあり、メニューを見るとタンドリーチキンピザってのが見えます。

カレーは嫌だと言いながらも今回のインドにおける初メシなのでそれを食べることにしました。味は可もなく不可もなくといったところでした。

 

食べ終わったらいよいよやることがなくなったので、もうゲートに向かうことにしました。

 

それほど遠くなかったのですが、ゲートに着くと何かが変です。なんだか暗くて周辺に人っ子ひとりいません。

もしかして欠航?と思いエアインディアのスタッフさんが近くにいたので聞いてみると、僕が乗る便はもう定刻で出発したというではありませんか。

 

そこで初めてやってしまったことに気がつきました。タンドリーチキンピザ食ってる場合じゃなかった。

というかチェックイン後に乗り遅れたことなんて日本の国内線でもありません。どうすりゃいいんだこれは。荷物預け入れしてないのがせめてもの救いだろうか。

 

先程のスタッフさんに聞いても「ここじゃ何もできない」と言って話になりません。「じゃあ誰に言えばいいか」と聞いても半笑いで首を傾げるばかり。

ふと思いついたので、ANAのサポートに電話してみました。エアインディアはANAと同じスターアライアンスで、もともとその国内線もANA経由で手配しています。

結局わかったことは、僕は既にチェックインしておりちゃんとそのフライトに搭乗していることになっているという衝撃の事実でした。

幽体離脱でもしてしまい僕の本体は飛行機に乗っているのかと一瞬思いましたがそんなわけありません。だってシャツに落としたタンドリーチキンのシミがこんなにもスパイシーな匂いを発しているんだもの。

 

で、仕方ないので当てもなく出口の方に向かってみたのですが、途中にインフォメーションがありました。

サリーを着た女性がとても美人だったのでヤケクソで話しかけ「日本から来ていまからチェンナイに向かうんだけど、これこれこうでどうしていいかわからない、助けてはもらえないだろうか?」と嘆願したら「任せて!」と言っていろんなところに電話し始めました。

直ぐに別の係員が来てくれて、事情を改めて説明。すると聞き取り難いインド特有の英語 (ヒングリッシュ) で次のような説明をまくしたてられました。

1. チケットは買い直しになるけど、次のチェンナイ行きの便は空いているのでそこに乗れる。

2. ただしチケットブースはセキュリティの関係で空港の外にあるので一度そこまで行かなくてはいけない。

3. 自分がセキュリティゲートまで一緒にいくので後は自分でやってくれ。

 

是非もないのでその通りにして、普段とは逆行の形で空港の外へ出ました。チケットブースはすぐに見つかったのですが店番はブサイクで無愛想でした。ブサイクは余計ですね。

経験的にインドの人は愛想の良し悪しが両極端な気がします。

さて、ブサイクもとい無愛想な女の子にチェンナイ行きの一番早い便をと頼んで購入。

ムンバイからチェンナイまでは結構飛ぶので最悪数万円の自腹を覚悟しましたが、なんと4,000円くらいでした。しかも機内食 (カレー) 付き。スペシャルミール?とか聞かれたけど丁重にお断り。

でも受け取ったチケットをよくみると、フライトが20分後くらいになっています。「これ間に合うん?」とブサイクに聞いたらアゴで空港内を指して「急げ」だって。殺したい。

 

その後メッチャ走ってインドの面倒な手荷物検査も先に通してもらってまたゲートまで走って (途中のインフォメーションで美人の子に笑顔でお礼は忘れない) ようやく飛行機に乗ることができました。日本時間で既に夜中3時過ぎ。

 

チェンナイについたら3時間以上空港で待っていてくれたホテルのドライバーに文句言われましたが (忘れてた) 、多目にチップ渡したら機嫌がよくなりました。

 

ホテルについてチェックインし、1時間ほど横になったらもう出発時間。

一週間くらいの出張でその日に一番のメインイベントがあったのですが、なんとか乗り切ることができました。

 

長い長い一日がようやく終わり、カレー食ってインドローカルのキングフィッシャービールを煽ったらその日は泥のようにとっとと就寝。

 

 

反省ですが、4回目のインド出張ということで完全に気を抜いていました。

今思えばDelay表示も見間違いだったのだと思います。普通遅れたら予定時間ちゃんと書いてますよね。インドだからそりゃ飛行機も遅れるだろうという無意識の決めつけがあったんじゃないでしょうか。

 

逆に、不幸中の幸いというかなんというか、到着直後でこれだけのトラブルシューティングを英語で出来たのは変な言い方ですが少し自信に繋がりました。

英語はホントにまだまだなんですが、出張・観光くらいなら多少問題が発生してもなんとか対処できるだけの力がついているということなので。

 

ちなみに機内食のカレーは出張中に計4回食べましたが、いずれも不味かったです。「スパイスジェット」という名前の航空会社でカレー不味いのは、いかがなものでしょうか。

 

皆さんも旅行や出張の際は、どうかお気をつけ下さい。何を?

 

後日談ですが、帰国後にエアインディアからご丁寧に電話でお詫びがありました。なんかマイルくれるとかいってたけど、「問題ない、あれ俺のミス、電話あんがと、また乗ります」って言って切りました。

 

英語モードOFFの時に不意打ちやめて。この電話を会社のデスクで受けて喋っている時が、一番冷や汗かきました。

 

以上です。

今週のお題「人生最大の危機」