負け犬のオーボエ

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モンハン卒業の日

モンハンのお話。

 

最初に、まず僕は最近 (DS以降) のモンハンは一切やってないんだけど、PSP全盛期にはそれこそ時間があればプレイしていた。作品でいうとMHP2GMHP3だ。

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プレイ時間は2作品合わせて3,500時間程。普通の人より多少やっていたが「廃人」と呼ばれる人たちにはぜんぜん遠く敵わない、そんな程度である。

ちなみに司法試験合格者の平均勉強時間がちょうど3,500時間くらいだとか。人生を誤った気がしないでもないが、だからどうしたである。

勉強してようがゲームしてようが鼻をほじっていようが、いま生きている1分1秒の価値に違いなどはない。

もし機会費用がどうこう賢しらにわずかな知識をひけらかす奴がいたらそんな奴はすり潰してニンニクを加えネギとパクチーと玉ねぎと一緒にライスペーパーか春巻の皮で包んだものを油で揚げてチリソースを付けて食べたら美味しいのでおすすめです。なんの話だ。

 

以下本題。

ちょっと前に友達が病気で亡くなった。大学の頃の同級生で、最後に会ったのは一年ちょっとくらい前だろうか。彼が出張で東京に来たので普通に飲んで食べて飲んでじゃあまたねと別れたら、それが今生の別れになってしまった。

通夜で聞いたら亡くなる数ヶ月くらい前に癌が見つかって、それからはあっという間だったらしい。

 

20代の後半、その友人とはよく狩りに行った。もちろんモンハンの話である。僕は基本的にソロ (一人プレイ) 専門だったが帰省などの度に会えば彼の家やカラオケボックスなどで酒を飲みながら一晩中一緒に狩りをしていた。

PS3 (アドホック通信) を使えばわざわざ会わなくてもオンラインで一緒にプレイできたが、どうもお互いしっくり来なかったのであまり頻繁にはやらなかった。

会って飲みながら昔話や最近の話もしつつ一緒にゲームする、そういう時間を楽しんでいたし、それができるのは気の合う彼だけだった。

 

30を越えてからはお互い結婚して家庭をもったし、また僕が一時期海外勤務していたこともあって会う時間はめっきり少なくなってしまったが、機会があれば会って飲んだ。流石にモンハンはもうやらなかったけど。

 

もうその友人と一緒に過ごす時間は帰ってこない。そのことが無性に悲しい。でも日々はいつも通り流れていく。

 

先日、6月の中頃にしてはとても寒い日があった。午前中は英会話のため出かけたけど午後は家に引き篭もることにした。下手に出かけてムスコが風邪でもひいたら大変なので。

そういうわけで家で昼食を取った後、ムスコは寝てしまったので僕も漫画を読んだりダラダラしていた。『ブッダ』の次の巻を取るため本棚に向かうともう長年触っていないPSPがあるのをふと見つけ、引き寄せられるように手に取った。

久々に充電ケーブルを繋ぐと日付と時間入力を求められたが壊れてはいないようだ。入ったままのソフトは...もちろんMHP3だ。

 

久々にプレイするので最初はなんだか覚束ないものの、しばらくすると指が思い出してきた。ナルガクルガの尻尾もイビルジョーのブレスも難なく躱せるし、片手のSB (スタイリッシュボマー) だって健在だ。楽しくなってきた。

何回かクエストをこなして集会所 (ゲーム内の拠点) に戻ると友人がいた。先日亡くなった彼だ。相変わらず装備がダサい。ダサすぎてヤバい。

 

別に幽霊でも恐怖体験ではなくこれは「ふらっとハンター」といって、過去にギルドカード (ゲーム内の名刺みたいなもの) を交換したら以後その人のキャラクターがランダムで集会所に現れるというMHP3の仕組みである。

 

友人はそこに立ってずっと拍手をしている。ちょっとうるさい。うるさい上にダサい。恐る恐る話しかけると『天下一品は究極のメニューだニャー』という謎の言葉とともに「けむり玉」というゲーム内アイテム (ゴミ) をくれた。

 

残念ながら彼は (正確には彼の影が) そこにいるだけなので、もう一緒に狩りに行ったりすることはできない。

 

というわけで僕はその日モンハンを卒業した。別にセンチな気分になったわけでも無いんだけどなんか自分の中で色々区切りがついたのだ。ただの気のせいかもしれないけれど。

 

そんなことを思いながらふと顔を上げると、昼寝から起きたムスコがいた。手には亡くなった友人が出産祝いと言ってくれたアイルーのぬいぐるみ。あ、これはちょっと怖い。