負け犬のオーボエ

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人生を変えた白髪染めシャンプー

今週のお題「おかあさん」ということですが、まず俺の天パについて書きます。いや正確には「天然」パーマではない。そこにはとても複雑な事情があるのだ。

 

遠い昔、はるか彼方の銀河系で俺の髪は直毛であった。30年ほど前の話である。当時の俺はサラッサラの髪質のマッシュルームカットでありまして、写真を見ると見事な天使の輪が浮かび上がっている。

それが今では美容師さんにまでパーマと間違えられるようなクセ毛である。一体どうしてこうなったのか。

母 (以下オカン) のせいである。

 

サラッサラヘアー人生を謳歌していたある日、俺少年は風呂場に白髪染めシャンプーが置かれているのを発見した。生協のマークが入っていたことを覚えている。

そのころ白髪に悩んでいたオカンが買ったのだろう。当時は確か「チャンリンシャン」のソフトインワンを愛用していたが、好奇心豊かな幼子だった俺少年は興味本位でその白髪染めシャンプーに手を出してしまった。

 

するとあら不思議。なんということでしょう。サラッサラだった俺少年の髪はほんの3日ほどの間に見事なクセ毛に生まれ変わったではありませんか。

 

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※画像はイメージです

 

生協の白髪染めシャンプーには一体どんな成分が含まれていたのか、今でも謎である。

とにかくその日以降俺少年はクセ毛少年となり、思春期以降は髪質に合う整髪料を探し求める長い長い旅に出ることになったのだ。

 

あの日オカンの白髪染めシャンプーに手を出さなければ、今頃全く違う人生を歩んでいたに違いない。

たぶん人生にはいくつものこのような分岐点があるのだろう。たまたまその時は白髪染めシャンプーという少し変わった形で具現化していただけで、知らず知らずのうちに我々は転機を迎えているのだきっと。

 

そして、もうすぐ2歳になるムスコも立派なクセ毛が受け継がれた。変わりゆくものと、受け継がれるもの。宇宙とはなんと複雑に出来ているものだろうか。

 

何が腹立つって、いまだにオカンの髪はサラッサラなことである。何の話だったっけ。