負け犬のオーボエ

負け犬です。料理、WEB小説、英会話、ときどき株など、Amazon.co.jpアソシエイト

ルビーの光

こんちは。負け犬(@makeinu_no_oboe)です。

この間ニトリに行ったんですが、サーファーっぽいひとがアイロン台を抱えたらちゃんとサーフボードに見えるという新たな事実を発見しました。

夏が終わったのでその陸サーファー (もどき) もなんだか少し物憂げな顔をしてるように僕には感じられました。

そう、気がつけばもう秋です。

 

まだそれなりに暑いけど、秋を強制的に感じたいなら近くのユニクロに行けばいいです。もうとっくに夏物はどこかに追いやられてダウンとか普通に売ってるので。ユニクロはもっと現実の季節というか気候にマッチした服を置いてほしいと前から思っているのですが、まあしゃあないですね。

 

もっと手軽に秋を感じたいならスーパーの食料品売り場がおすすめです。当たり前ですが、野菜や果物、あと魚は季節によって品揃えが全然違うので。

旬の食材というのは新鮮で栄養があって美味しい上に安いので、我々庶民にとってはとても嬉しいものです。

 

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前置き長くなりましたが、我が家はこの「旬の食べ物」というものをとても重要視しています。

ウチはルールとかコダワリが少ない方だと思いますが、夫婦二人とも食べることが好きなので食については明確な掟がいくつか存在します。家訓といったほうがいいかもしれません。少しご紹介すると次のようなものです。

 

『なるべく旬の食材を使って料理する』

『その時期にしか入手できない美味しいものは多少高くても買って食べる』

 

...改めて書くとものすごい普通の内容ですね。でも大切なこと。オレ コノオキテ ワガコニモ ウケツグ。

 

そんな一子相伝の話はさておき、この季節 (秋) にしか食べられない贅沢があります。

それはコイツ (本日近くのスーパーで撮影)

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そう、筋子

画像のはちょっと小ぶりですが、だいたい一腹2,000円から3,000円くらいですかね。普段スーパーで買う他の食材に比べたらなかなかの値段がしやがります。画像のように半額になっていたら秒でカゴに入れるべきです。

 

コイツはそのまま食べても生臭くて食べれたものじゃありません。(というか食べたらアカンと思う) 

もちろん、これでイクラの醤油漬け」を作るのです。

やり方とレシピはクックパッドでも見てください。熱湯でほぐしたり漬け込んだりそれなりに手間ですが、何も難しいことはありません。

 

できたのがこちら。

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信じられますか?このボールいっぱいイクラなんですよ?

 

最低半日は漬け込んでプリップリでルビーのように紅く輝くこの大量のイクラを、炊きたてのご飯にこれでもかというくらいぶっ掛けてかき込むように食べるのです。言うまでもありませんが米は新米を用意して下さい。

 

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メイドインヘヴン

 

あぁ、なぜこれが食べられる秋は一年に一度しか無いのか。僕は気がつけばもう40前なので、せいぜいあと40回しかこれを食べられないのです。「旬」を大事にするというのは残りの人生を大事にするということです。

 

ちなみにですが、この間受けた健康診断で腎臓引っかかりました。

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急にオッサン臭い話になってすみません。でも痛風の疑いありなので、ホントはこんなプリン体の塊を食っちゃダメでしょうねハハハ。

美味しいものをこれからも長く食べるために健康でありたいものです。そうだサーフィンでも始めようかな。まあそのうちね。

今週のお題「○○の秋」でした。

君は「宣伝会議賞」を知っているか?

今回長いです。おまけに自分語りも多いので覚悟してお読み下さい。

 

さて、タイトルの繰り返しとなりますが、皆さんは宣伝会議賞というものをご存知でしょうか?

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毎年この時期に行われているのですが、今年は9/2から応募開始、11/6が応募締切というスケジュールになっているようです。

 

どれ程の知名度があるのかさっぱりわからないので一応説明しますが、一言で言うと公募タイプの広告賞です。

スポンサーにもなっている企業の広告キャッチコピー案 (あるいはCM案) を考えて応募するのですが、他の賞との一番の違いは応募資格が特に制限されていないことですね。

念のため説明するとキャッチコピーとは広告に添えられる短い文章や煽り文句のことです。有名なところだとJRの「そうだ京都、行こう。」とか、もののけ姫の「生きろ。」とかですかね。

 

話を戻しますが、要するにこの宣伝会議賞」は公募なので誰でも応募することができます。一般的な広告賞ってその業界関係者というかプロが実際の仕事の中で優劣を競うものが多いんですけど。

 

その為、広告業界 (というかクリエイター) を目指す意識高い学生さんや、業界に転職を目指す人たちが力試しに応募することが多いようです。業界若手の人も登竜門として応募すると聞いたことがあります。数年前からは「中学生部門」なんてよくわからないカテゴリもあるみたいですね。学校の課題として取り組むのもいい勉強かもしれません。

ちなみに一般部門最優秀賞の賞金は100万円となっております。

 

この賞の業界における位置付けなんてのは僕にはわからないのですが、50年以上も続く歴史ある賞ですし、調べたところ昨年は計54万点もの応募があったようです。凄い数だ。

 

さて、この宣伝会議賞ですが、私こと負け犬も実は過去にチャレンジしたことがあります。学生時代だったのでもう10年以上前ですが。

もちろん賞なんて取れなかったんですけど、二次審査は通過しました。といってもよくわからないと思いますので昨年の状況を調べたらこんな感じです。

応募総数54万8258点を記録した第56回「宣伝会議賞」。一般部門 総応募数の51万7329点から5555点まで絞られた一次審査を経て、次なる関門の二次審査を通過したのはコピー部門594点、CM部門79点の計673点。二次審査通過作品を対象に行った三次審査では、コピー部門161点、CM部門56点の計217点が通過しました。

 

僕が応募した10数年前と比較して今は応募数自体が結構増えているので参考にしかなりませんが、これを見ると二次通過するだけでも594/517,329という狭き門。パーセンテージにすると約0.1%です。えっへん。

 

で、この「宣伝会議賞」はその名の通り「宣伝会議」という比較的マイナーな出版社が主催しているのですが、この会社は賞や出版業とは別に各種セミナーも開催しています。

 

初応募で二次審査をうっかり通過した僕は気を良くし、その翌年から「コピーライター養成講座」に通い始めました。

大学3回生の春という、その後の就職を考えると極めて重要な時期だったので親父は本気で反対してくれましたが、当時の僕は普通ではない何者かになりたかったのだと思います。

 

結論を言うと結局僕は何者にもなることができず、その後普通に就職しました。今の仕事は広告業界ですらありません。

客観的に見ればコピーライター養成講座は時間とお金の無駄だったのですが、あの時期に大学の勉強以外の課題をこなしながら同年代の目がギラギラした他の塾生達と切磋琢磨できたのは、僕の人格形成にとってとても有意義な体験でした。それがよかったのか悪かったのかは今議論しても無意味なので横に置いておきますけど。

 

兎にも角にも、当時確か10数万の講座代を払って、週1で京都から大阪まで通って手にしたものは数本の金色のエンピツでした。

 

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ふと思いだした家を探したら、なんと3本残っていました。あと何本かあったはずなのですが、一発芸か何かで使ってしまった記憶があります。ちなみに背景がコブラなのはなんとなくかっこいいと思ったからです。

 

このエンピツは非売品なんですけど、これが何かという説明はしません。今の僕にとっては特に意味のないものだし、たぶんヤフオクで値が付くようなものでもないので。

 

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ほらね

 

ただ、改めてこの安っぽい金色のエンピツを眺めているとなんだか言葉に出来ない様々な感情が湧いてくるのを感じました。いや正確に言うと頭の中にずっと溜まっていたものがエンピツを触媒にして、表に溢れ出てきたんだと思います。

 

物凄いドロドロとした感情の濁流のようなものにうっかり飲み込まれそうになりましたが、こんな時はどうすればいいか?僕はその答えの一つを知っています。

蓄積されて変形して熟成あるいは発酵している色々な思いや経験やあれこれを、僕の中にあるフィルターを通すことによって違う言葉に置き換え、解放すればいいのです。

 

僕が誰に宛てるでもないこのブログを書いているのも実はその「儀式」の一環だったりするのですが、キャッチコピーを考える作業というのは更に高度な変換作業が必要となります。大変ですが、その分確実に心は軽くなっていきます。

 

なんだかスピリチュアルというか宗教臭い話になってしまいましたけど、そんなわけで今年は僕も宣伝会議賞にまたエントリーすることにした次第です。

 

応募も今は特設サイトからスマホやPCを使ってWeb上で出来るんですね。以前は紙に印刷して封筒で送っていました。時代は変わっている。置いていかれているのはいつまでたっても僕くらいのものだ。

 

長々と大層なこと書いてきましたが、もちろん半分以上は口から出まかせです。この前たまたま宣伝会議賞のことを目にしたんですが、賞金100万円に惹かれてまた応募することにしました。

 

皆さんもチャレンジしてみませんか?いい暇つぶしになりますよ。

 

宣伝会議賞についての詳細や応募はこちらからどうぞ (応募するには要会員登録)

第57回 宣伝会議賞

米津玄師が怖い

今さら米津玄師という人について書くのもどうかと思うのですが、僕があの人に感じるのは底知れぬ恐怖です。畏怖といったほうが正確かもしれません。

 

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檸檬が流行りだしたころの米津玄師に対する一般的イメージ

 

米津玄師の何が怖いかということについて僕は上手く表現することができなかったのですが、先日たまたま読んだブログ記事にとても共感できるものがありました。

共感したとか言いながらブックマークとかしてないのでうろ覚えなんですが、書かれていたのは次のような内容です。うろ覚えゆえ僕の見解ともミックスされてますがそれはご了承ください。

 

  1. もともとアングラの世界の住民であり、知る人ぞ知る、また分かる奴だけわかればいいような音楽を作っていた人なのに気がつけば闇属性のまま日の当たる場所に自然に立っているのが怖い。
  2. 基本的に天才の人なんだと思うけど、その才能はぶっ飛び過ぎ。ある意味変態的で怖い。
  3. 檸檬』という大衆に向けた彼の代表曲はその変態的なところが垣間見えながらも巧妙に隠されている。というかヒト科ヒト目であれば快感に聞こえるように曲も歌詞も作られており、変態的を超えてもはや悪魔的で怖い。
  4. 変態的でありながら悪魔的手法まで覚えてしまった米津玄師が今後どんなものを作り出してしまうのかと思うと怖くて怖くて仕方がない。

 

こんな感じです。今まで僕が感じていたような上手く言えない、また得体のしれない怖さを少しでも共有してもらえたら幸いです。

 

ちなみにニコニコ動画をそれなりに観ていた人の中でも、未だに『ハチ』が米津玄師であることを知らなかったりします。嘘だろ。

 

 

そういうところも含めて仮面の秀逸さというか、まさかあれがと思わせる巧妙さとか、逆に知ってる人間にはこんな複雑な思いを抱かせるあたりだとか、どこまでが意図的なのかわからない怖さもあります。

本当に怖いのは多分ですが全て意図的だというところです。米津玄師は恐らく人生二週目以降なので、それくらいはあたりまえなのかもしれませんが。本当に、夢ならばどれほど良かったでしょう。

 

怖い話でした。

ブログタイトルを変更

こんにちは 負け犬 です。

 

先日から少々思うところあり、でもそれについて悶々としながらも特に今すぐ何かが出来るわけでもなかったのでとりあえずブログタイトルを変更しました。

 

これにより僕は「30代後半で子持ちの小太り男」から「負け犬」にクラスチェンジしたわけですが、なんだかとてもシンプルになって気分もいいです。

 

負け犬のオーボエ」というタイトルですが、別に自虐的かと言えばそんなこともなく、また世の中に対してそれほど恨みつらみを抱えているわけでもないので「遠吠え」なんて逆立ちしても出ません。ですので人気のない公園の片隅で「ボェ〜」とオーボエを吹いているような文章をこれからも綴っていこうと思います。

 

ちなみにオーボエなんて触ったこともないので本当に「ボェ〜」という音が出るのかは知りません。「のだめ」で黒木くんが演奏している描写を見る限りなんか違う気がしますがそれとは別物だと考えることにします。

 

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要するに、書く内容は今までと特に変わりません。この記事はけじめというかある種の節目の為に残しておくことにしました。

 

ところで、タイトルを負け犬に変えた前後から何故かアクセス数が倍くらいになっているのが謎ですが、なんだかそれも負け犬っぽくていい感じです。

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バンプの「分別奮闘記」が最高すぎる

「スルメ曲」という言葉をご存知だろうか?

 

文字通り「噛めば噛むほど味が出る曲」のことを指すのだけれど、自分の中で最強のスルメ曲メーカーは決まっている。BUMP OF CHICKEN だ。以下バンプ

 

邦楽は正直あまり聴かないんだけど、バンプだけは昔からなんとなく聴き続けてしまう。

決して熱狂的ファンというわけではないしライブに行ったこともない。でも彼らの曲と一緒に人生を歩んでる。そんな感じ。

40前のオッサンがそんな事を言うのもキモいかもしれないけど問題ない。バンプの最大の魅力は「精神年齢推定300歳」と言われるその歌詞にあるからだ。40歳なんてひよっこである。

 

そんなわけで結構聴いているつもりのバンプだけど、数々の有名曲の裏にも隠れた名曲が多数存在する。

いや名曲というのはなんかちょっと違う。正確には「普段はなんとなく聴き流しているのだけど何かの拍子にその良さに気づき、気がつけば心を鷲掴みにされてしまう曲」だ。

そして聴けば聴くほどその曲の良さを知ってまたハマっていく。まさにスルメである。きっとその時の境遇とか精神状態とかがなんかこう作用するのだろう。知らんけど。

僕の周りにいるバンプ好きに聞いてもみんなどうやら多かれ少なかれ同じ体験をしているようだ。さすが精神年齢推定300歳。武田鉄矢が褒めるだけある。

 

この前も「COSMONAUT」というアルバムを車で聴いていたら、突然「分別奮闘記」という収録曲にまた心奪われてしまった。

 

分別奮闘記

分別奮闘記

 

このアルバム自体何度も聴いているはずなのに本当に不思議である。いつも何となく聴き流していたけど、ふと歌詞が耳に残って「なんじゃこの曲?」と思ってちゃんと聴いてみたら神曲だった。

どんな精神構造や人生経験したら、こんな歌詞が書けるのやら。せっかくなので以下に歌詞掲載する。

 

分別奮闘記

君の夢がゴミと化して はや幾星霜

捨ててこそゴミでしょうと勇ましく

見るからにしぶとそうだ 不燃物だろう

指定された火曜日 ほっと一息

 

だけど持ってかれてないぜ 紙が貼ってあるぜ

なになに「燃えるゴミは月曜日」?

 

燃えるのか?これ燃えるのか

燃えなさそうでも燃えるのか

 

「燃えますよ?灰にできますよ

   あなたがそうしたくないだけなのでは?」

 

君の夢がゴミと化して はや幾星霜

同じ轍は踏まぬぞと勇ましく

明らかにでかいから粗大ゴミだろう

これを捨てるためなら金も払える

 

だけど持ってかれてないぜ 紙が貼ってあるぜ

「普通のゴミはゴミ袋へ」

 

入るのか?これ入るのか

小さな袋に入るのか

 

「入るでしょ?それ3,000個ぐらい

   大きくあってほしいだけなのでは?」

 

できるのか?処理できるのか

そんなすぐ片付くゴミなのか

ゴミなのか?これゴミなのか

認めたくないけど違うのか

 

「ゴミですよ?それ邪魔ですよ

   放っといたら もはや公害

   捨てないのなら 違いますよ

   持ち主がいるのなら夢ですよ

   あの日からずっとずっと 夢のままですよ」

 

君のゴミが夢と化して はや幾星霜

燃やせなくて粗大で味が出てきた

なんてこともない

 

持ってかれてないぜ!

持ってかれてないぜ!

(繰り返し)
 

※聴きながらの書き起こしなので間違えていたらご容赦願います。また歌詞掲載はOKだと聞いていますが、著作権の問題などあればご指摘下さい。

 

歌詞の解説だとか無粋なことはやめておくけど、素晴らしいの一言。

他のスルメ曲として「Supernova」「キャッチボール」なんかも僕としては紹介したいんだけどまたの機会にします。

 

以上、バンプは凄ぇという話でした。

インドでの長い一日

インドの話をします。

 

先に書いておきますが、意味なく長い割に特に秀逸なオチや感動ネタもありません。読んでおくといつかどこかで何かの役に立つことはあるかもしれませんが、その点ご了承の上でお読みください。

 

去年、仕事のプロジェクトの関係で嫌々インドに出張しました。もうそれが4回目のインドだったんですけど、行く度にカレーが嫌いになっていきます。もうカレーなんか週に一度くらいしか見たくないですね。

 

いつもはデリーを中心に動くのですが、その時は何かの都合でやや変則的な動きとなり、ANAで成田からムンバイへ行ってそこからトランジットでチェンナイに移動するという旅程でした。

 

一応、文中の主要都市の位置関係と経路はこんな感じです。

 

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で、9時間近くかけてムンバイに着いたのですが次に乗るエアインディアの便は3時間後。

眠くもないしお腹も減ってないのですが、やることもないので空港内でダラダラしていました。

そうこうしていたらいい時間になってきたので離着陸予定のモニターを見ると、次に搭乗する便がDelay (遅れ) となっています。

もう日本時間では夜中の12時ごろ。やれやれと思いながら少し小腹が空いたので何か食べることにしました。インドでは短距離の国内線でも必ず機内食が出ますがどうせ美味しくないカレーなので。

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写真残ってました。だいたいこんなのです。

 

フードコートみたいなところに行くとピザハットがあり、メニューを見るとタンドリーチキンピザってのが見えます。

カレーは嫌だと言いながらも今回のインドにおける初メシなのでそれを食べることにしました。味は可もなく不可もなくといったところでした。

 

食べ終わったらいよいよやることがなくなったので、もうゲートに向かうことにしました。

 

それほど遠くなかったのですが、ゲートに着くと何かが変です。なんだか暗くて周辺に人っ子ひとりいません。

もしかして欠航?と思いエアインディアのスタッフさんが近くにいたので聞いてみると、僕が乗る便はもう定刻で出発したというではありませんか。

 

そこで初めてやってしまったことに気がつきました。タンドリーチキンピザ食ってる場合じゃなかった。

というかチェックイン後に乗り遅れたことなんて日本の国内線でもありません。どうすりゃいいんだこれは。荷物預け入れしてないのがせめてもの救いだろうか。

 

先程のスタッフさんに聞いても「ここじゃ何もできない」と言って話になりません。「じゃあ誰に言えばいいか」と聞いても半笑いで首を傾げるばかり。

ふと思いついたので、ANAのサポートに電話してみました。エアインディアはANAと同じスターアライアンスで、もともとその国内線もANA経由で手配しています。

結局わかったことは、僕は既にチェックインしておりちゃんとそのフライトに搭乗していることになっているという衝撃の事実でした。

幽体離脱でもしてしまい僕の本体は飛行機に乗っているのかと一瞬思いましたがそんなわけありません。だってシャツに落としたタンドリーチキンのシミがこんなにもスパイシーな匂いを発しているんだもの。

 

で、仕方ないので当てもなく出口の方に向かってみたのですが、途中にインフォメーションがありました。

サリーを着た女性がとても美人だったのでヤケクソで話しかけ「日本から来ていまからチェンナイに向かうんだけど、これこれこうでどうしていいかわからない、助けてはもらえないだろうか?」と嘆願したら「任せて!」と言っていろんなところに電話し始めました。

直ぐに別の係員が来てくれて、事情を改めて説明。すると聞き取り難いインド特有の英語 (ヒングリッシュ) で次のような説明をまくしたてられました。

1. チケットは買い直しになるけど、次のチェンナイ行きの便は空いているのでそこに乗れる。

2. ただしチケットブースはセキュリティの関係で空港の外にあるので一度そこまで行かなくてはいけない。

3. 自分がセキュリティゲートまで一緒にいくので後は自分でやってくれ。

 

是非もないのでその通りにして、普段とは逆行の形で空港の外へ出ました。チケットブースはすぐに見つかったのですが店番はブサイクで無愛想でした。ブサイクは余計ですね。

経験的にインドの人は愛想の良し悪しが両極端な気がします。

さて、ブサイクもとい無愛想な女の子にチェンナイ行きの一番早い便をと頼んで購入。

ムンバイからチェンナイまでは結構飛ぶので最悪数万円の自腹を覚悟しましたが、なんと4,000円くらいでした。しかも機内食 (カレー) 付き。スペシャルミール?とか聞かれたけど丁重にお断り。

でも受け取ったチケットをよくみると、フライトが20分後くらいになっています。「これ間に合うん?」とブサイクに聞いたらアゴで空港内を指して「急げ」だって。殺したい。

 

その後メッチャ走ってインドの面倒な手荷物検査も先に通してもらってまたゲートまで走って (途中のインフォメーションで美人の子に笑顔でお礼は忘れない) ようやく飛行機に乗ることができました。日本時間で既に夜中3時過ぎ。

 

チェンナイについたら3時間以上空港で待っていてくれたホテルのドライバーに文句言われましたが (忘れてた) 、多目にチップ渡したら機嫌がよくなりました。

 

ホテルについてチェックインし、1時間ほど横になったらもう出発時間。

一週間くらいの出張でその日に一番のメインイベントがあったのですが、なんとか乗り切ることができました。

 

長い長い一日がようやく終わり、カレー食ってインドローカルのキングフィッシャービールを煽ったらその日は泥のようにとっとと就寝。

 

 

反省ですが、4回目のインド出張ということで完全に気を抜いていました。

今思えばDelay表示も見間違いだったのだと思います。普通遅れたら予定時間ちゃんと書いてますよね。インドだからそりゃ飛行機も遅れるだろうという無意識の決めつけがあったんじゃないでしょうか。

 

逆に、不幸中の幸いというかなんというか、到着直後でこれだけのトラブルシューティングを英語で出来たのは変な言い方ですが少し自信に繋がりました。

英語はホントにまだまだなんですが、出張・観光くらいなら多少問題が発生してもなんとか対処できるだけの力がついているということなので。

 

ちなみに機内食のカレーは出張中に計4回食べましたが、いずれも不味かったです。「スパイスジェット」という名前の航空会社でカレー不味いのは、いかがなものでしょうか。

 

皆さんも旅行や出張の際は、どうかお気をつけ下さい。何を?

 

後日談ですが、帰国後にエアインディアからご丁寧に電話でお詫びがありました。なんかマイルくれるとかいってたけど、「問題ない、あれ俺のミス、電話あんがと、また乗ります」って言って切りました。

 

英語モードOFFの時に不意打ちやめて。この電話を会社のデスクで受けて喋っている時が、一番冷や汗かきました。

 

以上です。

今週のお題「人生最大の危機」

タイの話をします。

 

もう5年ほど前ですが、2年くらい仕事でタイに駐在していました。

首都であるバンコク (駐在者はイキって「クルンテープ」といいます) はムッチャ都会でそこらの日本の地方都市なんか目じゃないんですが、それでも東南アジアらしさは其処彼処に残っています。

その一つが野良犬ですね。バンコク市内でも田舎でもゴルフ場の中でも、痩せた犬がそこら中にうろついています。

 

危ないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、基本的に暑くてどの犬もやる気なく寝そべっているだけなので特に危険はありません。汚いので触ろうとも思いませんけど。

 

一応、行く前に狂犬病などの予防接種は受けました。なんか5種類くらいを何日かに分けて複数回注射されて、腕が穴だらけになったのを覚えています。

 

ちなみに、各国の狂犬病発生状況はこんな感じらしいです。インドは流石ですね。

 

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そんなこんなでサバイサバイなタイライフを過ごしていたのですが、ある日危機が訪れました。

バンコク中心部からそれほど離れていない「オンヌット」というエリアにあるお客さんの工場に行ったのですが、商談を終えて道にでたら20mほど先に一匹の犬がいました。

 

いつものことなので最初は気にもしていなかったのですが、何かがおかしいと心の中で警鐘が鳴っています。

他の犬はどこを見るでもなくフラフラ歩いているか寝そべっているのですが、そいつは明らかに僕を一直線に見据えて足腰にも力が入っているではありませんか。

コイツはヤバイと直感し、僕は駆け出しました。今思えばお客さんの事務所に戻ったら良かった気もしますが、犬との位置的にそれも難しい状況だったのだと思います。

 

走ったら案の定犬が追いかけてきました。僕はそいつの悪鬼のような姿を忘れはしません。ヨダレを垂れ流しながら追いすがってくる犬の目は、まさに狂人のそれでした。

 

狂っていても流石犬。足の速さは小太りで運動不足の日本人を遥かに凌駕します。

あっという間に犬との距離が5mくらいに近づいてしまい、もうあかん...「お前が俺の死か」などという父親である宮崎駿を意識せざるを得ないダメ息子が監督した糞映画の寒々しいセリフが一瞬頭によぎりましたが、こんな東南アジアの片隅の工場地帯が僕の死に場所のはずがないと思い走り続けました。この一文いりませんね。

 

絶対絶命のその時現れたのは、僕の運転手でした。

運転手というと白い手袋つけた紳士を想像するかもしれませんが、コイツは僕より1つ2つ年下でちょっと片岡鶴太郎に似ているチンピラみたいなタイ人です。とてもいいやつなんですが朝僕を迎えに来る前にニンニクの効いたものを食うので車が臭く、その日も朝ガパオ禁止令を出したところでした。

 

普段ヘラヘラしている運転手が車で飛び出してきて、いままで見たことの無い真剣な顔で窓から「乗れ!!」と言っています。カッコイイ...惚れてまうやん、こんなん。

 

そんなわけで命からがら狂った犬から逃げることができました。後にも先にもそんな危ない犬をタイでみたのはその時だけです。無駄に「狂った犬」というタイ語を新たに習得してしまいました。

 

以下は蛇足なんですが、このお盆にその運転手とその奥さん子供を日本に呼ぶことにしました。もちろん旅費は全部僕が出します。安い金額ではないけど彼は命の恩人だし、それ以外にもいろいろあったので。

恩返しというか、彼のことは兄弟みたいなもんだと僕は勝手に思っています。なので京都観光のついでにうちの親にも会わせようと思う。

タイから出るのは初めてらしいけど、楽しんでくれたらいいな。

 

以上です。タイ語復習しとこ。

 

#今週のお題「人生最大の危機」