インドでの長い一日
インドの話をします。
先に書いておきますが、意味なく長い割に特に秀逸なオチや感動ネタもありません。読んでおくといつかどこかで何かの役に立つことはあるかもしれませんが、その点ご了承の上でお読みください。
去年、仕事のプロジェクトの関係で嫌々インドに出張しました。もうそれが4回目のインドだったんですけど、行く度にカレーが嫌いになっていきます。もうカレーなんか週に一度くらいしか見たくないですね。
いつもはデリーを中心に動くのですが、その時は何かの都合でやや変則的な動きとなり、ANAで成田からムンバイへ行ってそこからトランジットでチェンナイに移動するという旅程でした。
一応、文中の主要都市の位置関係と経路はこんな感じです。
で、9時間近くかけてムンバイに着いたのですが次に乗るエアインディアの便は3時間後。
眠くもないしお腹も減ってないのですが、やることもないので空港内でダラダラしていました。
そうこうしていたらいい時間になってきたので離着陸予定のモニターを見ると、次に搭乗する便がDelay (遅れ) となっています。
もう日本時間では夜中の12時ごろ。やれやれと思いながら少し小腹が空いたので何か食べることにしました。インドでは短距離の国内線でも必ず機内食が出ますがどうせ美味しくないカレーなので。
写真残ってました。だいたいこんなのです。
フードコートみたいなところに行くとピザハットがあり、メニューを見るとタンドリーチキンピザってのが見えます。
カレーは嫌だと言いながらも今回のインドにおける初メシなのでそれを食べることにしました。味は可もなく不可もなくといったところでした。
食べ終わったらいよいよやることがなくなったので、もうゲートに向かうことにしました。
それほど遠くなかったのですが、ゲートに着くと何かが変です。なんだか暗くて周辺に人っ子ひとりいません。
もしかして欠航?と思いエアインディアのスタッフさんが近くにいたので聞いてみると、僕が乗る便はもう定刻で出発したというではありませんか。
そこで初めてやってしまったことに気がつきました。タンドリーチキンピザ食ってる場合じゃなかった。
というかチェックイン後に乗り遅れたことなんて日本の国内線でもありません。どうすりゃいいんだこれは。荷物預け入れしてないのがせめてもの救いだろうか。
先程のスタッフさんに聞いても「ここじゃ何もできない」と言って話になりません。「じゃあ誰に言えばいいか」と聞いても半笑いで首を傾げるばかり。
ふと思いついたので、ANAのサポートに電話してみました。エアインディアはANAと同じスターアライアンスで、もともとその国内線もANA経由で手配しています。
結局わかったことは、僕は既にチェックインしておりちゃんとそのフライトに搭乗していることになっているという衝撃の事実でした。
幽体離脱でもしてしまい僕の本体は飛行機に乗っているのかと一瞬思いましたがそんなわけありません。だってシャツに落としたタンドリーチキンのシミがこんなにもスパイシーな匂いを発しているんだもの。
で、仕方ないので当てもなく出口の方に向かってみたのですが、途中にインフォメーションがありました。
サリーを着た女性がとても美人だったのでヤケクソで話しかけ「日本から来ていまからチェンナイに向かうんだけど、これこれこうでどうしていいかわからない、助けてはもらえないだろうか?」と嘆願したら「任せて!」と言っていろんなところに電話し始めました。
直ぐに別の係員が来てくれて、事情を改めて説明。すると聞き取り難いインド特有の英語 (ヒングリッシュ) で次のような説明をまくしたてられました。
1. チケットは買い直しになるけど、次のチェンナイ行きの便は空いているのでそこに乗れる。
2. ただしチケットブースはセキュリティの関係で空港の外にあるので一度そこまで行かなくてはいけない。
3. 自分がセキュリティゲートまで一緒にいくので後は自分でやってくれ。
是非もないのでその通りにして、普段とは逆行の形で空港の外へ出ました。チケットブースはすぐに見つかったのですが店番はブサイクで無愛想でした。ブサイクは余計ですね。
経験的にインドの人は愛想の良し悪しが両極端な気がします。
さて、ブサイクもとい無愛想な女の子にチェンナイ行きの一番早い便をと頼んで購入。
ムンバイからチェンナイまでは結構飛ぶので最悪数万円の自腹を覚悟しましたが、なんと4,000円くらいでした。しかも機内食 (カレー) 付き。スペシャルミール?とか聞かれたけど丁重にお断り。
でも受け取ったチケットをよくみると、フライトが20分後くらいになっています。「これ間に合うん?」とブサイクに聞いたらアゴで空港内を指して「急げ」だって。殺したい。
その後メッチャ走ってインドの面倒な手荷物検査も先に通してもらってまたゲートまで走って (途中のインフォメーションで美人の子に笑顔でお礼は忘れない) ようやく飛行機に乗ることができました。日本時間で既に夜中3時過ぎ。
チェンナイについたら3時間以上空港で待っていてくれたホテルのドライバーに文句言われましたが (忘れてた) 、多目にチップ渡したら機嫌がよくなりました。
ホテルについてチェックインし、1時間ほど横になったらもう出発時間。
一週間くらいの出張でその日に一番のメインイベントがあったのですが、なんとか乗り切ることができました。
長い長い一日がようやく終わり、カレー食ってインドローカルのキングフィッシャービールを煽ったらその日は泥のようにとっとと就寝。
反省ですが、4回目のインド出張ということで完全に気を抜いていました。
今思えばDelay表示も見間違いだったのだと思います。普通遅れたら予定時間ちゃんと書いてますよね。インドだからそりゃ飛行機も遅れるだろうという無意識の決めつけがあったんじゃないでしょうか。
逆に、不幸中の幸いというかなんというか、到着直後でこれだけのトラブルシューティングを英語で出来たのは変な言い方ですが少し自信に繋がりました。
英語はホントにまだまだなんですが、出張・観光くらいなら多少問題が発生してもなんとか対処できるだけの力がついているということなので。
ちなみに機内食のカレーは出張中に計4回食べましたが、いずれも不味かったです。「スパイスジェット」という名前の航空会社でカレー不味いのは、いかがなものでしょうか。
皆さんも旅行や出張の際は、どうかお気をつけ下さい。何を?
後日談ですが、帰国後にエアインディアからご丁寧に電話でお詫びがありました。なんかマイルくれるとかいってたけど、「問題ない、あれ俺のミス、電話あんがと、また乗ります」って言って切りました。
英語モードOFFの時に不意打ちやめて。この電話を会社のデスクで受けて喋っている時が、一番冷や汗かきました。
以上です。
今週のお題「人生最大の危機」
犬
タイの話をします。
もう5年ほど前ですが、2年くらい仕事でタイに駐在していました。
首都であるバンコク (駐在者はイキって「クルンテープ」といいます) はムッチャ都会でそこらの日本の地方都市なんか目じゃないんですが、それでも東南アジアらしさは其処彼処に残っています。
その一つが野良犬ですね。バンコク市内でも田舎でもゴルフ場の中でも、痩せた犬がそこら中にうろついています。
危ないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、基本的に暑くてどの犬もやる気なく寝そべっているだけなので特に危険はありません。汚いので触ろうとも思いませんけど。
一応、行く前に狂犬病などの予防接種は受けました。なんか5種類くらいを何日かに分けて複数回注射されて、腕が穴だらけになったのを覚えています。
ちなみに、各国の狂犬病発生状況はこんな感じらしいです。インドは流石ですね。
そんなこんなでサバイサバイなタイライフを過ごしていたのですが、ある日危機が訪れました。
バンコク中心部からそれほど離れていない「オンヌット」というエリアにあるお客さんの工場に行ったのですが、商談を終えて道にでたら20mほど先に一匹の犬がいました。
いつものことなので最初は気にもしていなかったのですが、何かがおかしいと心の中で警鐘が鳴っています。
他の犬はどこを見るでもなくフラフラ歩いているか寝そべっているのですが、そいつは明らかに僕を一直線に見据えて足腰にも力が入っているではありませんか。
コイツはヤバイと直感し、僕は駆け出しました。今思えばお客さんの事務所に戻ったら良かった気もしますが、犬との位置的にそれも難しい状況だったのだと思います。
走ったら案の定犬が追いかけてきました。僕はそいつの悪鬼のような姿を忘れはしません。ヨダレを垂れ流しながら追いすがってくる犬の目は、まさに狂人のそれでした。
狂っていても流石犬。足の速さは小太りで運動不足の日本人を遥かに凌駕します。
あっという間に犬との距離が5mくらいに近づいてしまい、もうあかん...「お前が俺の死か」などという父親である宮崎駿を意識せざるを得ないダメ息子が監督した糞映画の寒々しいセリフが一瞬頭によぎりましたが、こんな東南アジアの片隅の工場地帯が僕の死に場所のはずがないと思い走り続けました。この一文いりませんね。
絶対絶命のその時現れたのは、僕の運転手でした。
運転手というと白い手袋つけた紳士を想像するかもしれませんが、コイツは僕より1つ2つ年下でちょっと片岡鶴太郎に似ているチンピラみたいなタイ人です。とてもいいやつなんですが朝僕を迎えに来る前にニンニクの効いたものを食うので車が臭く、その日も朝ガパオ禁止令を出したところでした。
普段ヘラヘラしている運転手が車で飛び出してきて、いままで見たことの無い真剣な顔で窓から「乗れ!!」と言っています。カッコイイ...惚れてまうやん、こんなん。
そんなわけで命からがら狂った犬から逃げることができました。後にも先にもそんな危ない犬をタイでみたのはその時だけです。無駄に「狂った犬」というタイ語を新たに習得してしまいました。
以下は蛇足なんですが、このお盆にその運転手とその奥さん子供を日本に呼ぶことにしました。もちろん旅費は全部僕が出します。安い金額ではないけど彼は命の恩人だし、それ以外にもいろいろあったので。
恩返しというか、彼のことは兄弟みたいなもんだと僕は勝手に思っています。なので京都観光のついでにうちの親にも会わせようと思う。
タイから出るのは初めてらしいけど、楽しんでくれたらいいな。
以上です。タイ語復習しとこ。
#今週のお題「人生最大の危機」
霊感強いおっぱい女
一度死んだ話をします。
大学3回生の夏だったのですが、その日深夜にバイトを終わってからふと思い立って京都から鳥取まで行くことにしました。
お金はないけど時間と体力だけはあるので下道で行くことにしたのですが、たしか片道5時間くらいかかったはずです。
若さとはまったく怖いものですが、その時は砂丘の上から朝日が見たいという謎の動機だったと記憶しています。
朝日は見れたしラクダにも乗ったし駅前の温泉にも入ったし美味しいご飯も食べたしという楽しい小旅行になったのですが、当然行ったら帰らねばなりません。
その日も夕方からバイトだったので、往復10時間運転してそのまま働きました。
終わったら流石にヘロヘロだったんですけど、携帯を見たら大学の友達からメールが届いてました。
今飲んでるから合流しないか?というお誘いです。普通に考えてもう体力の限界ですが、当時の僕は「誘われたら断らない」という謎のポリシーを持っていたので二つ返事で行くことにしました。
居酒屋で合流してそのあと誰かの家に転がり込んで数人で飲んでいたら、ふと誰かが「心霊スポットに行こう」とか言い出しました。もう酔ってるし何より眠いのですが、満場一致でその案は可決され、幽霊が出ると噂のトンネルに向かうことになったのです。
車で来ていたのは僕だけだったので、当然目的地までの運転は僕がすることになりました。完全に飲酒運転ですが、もう20年くらい前の話なのでご容赦下さい。
で、結論から言うと幽霊は出ませんでした。辛気臭いトンネルを通って、その先にあった自動販売機でジュース飲んで戻ってきただけです。自称霊感の強いおっぱいでかい女がジュース飲みながら「なんだか耳が痛い」とか言ってましたがいつものことなのでみんなスルーしていました。
その帰り道、流石に限界を超えた眠気と酔いで朦朧としていたのですが、山道から降りて国道 (もしくは県道) に合流するところでそれは起こりました。
片側一車線の道だったのですが、対向車線から向かってきた大型トラックと僕の運転している乗用車が正面衝突したのです。
僕はその時のことをよく覚えています。
時間がゆっくりと過ぎるような奇妙な感覚のなか、トラックのヘッドライトが近づいてきて車のボンネットを潰しながら、何一つできないまま僕や友人を押しつぶしました。僕は自分の腕や肋骨がぐちゃぐちゃに潰れ、割れた頭蓋から何かが溢れた感覚まで覚えています。なぜか最後に記憶しているのは車の時計なのですが、時間は夜中2時過ぎでした。
暗闇が訪れたあと、はっと目覚めたら友人宅でした。
その辺に飲み会をしたままの状態でみんな横たわっています。喉がカラカラだったので薄暗いなか誰かを踏みながら (たぶん感触的におっぱいでかい霊感女) 台所まで行き、水を飲みながら時間を確かめると夜中の2時過ぎ。ちょうどさっきまで運転していた時間と一致していました。
単なる夢オチといえばそうなのですが、僕は未だにあれが夢だったとは信じられないのです。あまりにも感覚がリアルだったし、夢特有のおかしなところや矛盾が一つもありません。
件のトンネルにもその夢?で初めて行ったのですが、後から確かめたらトンネルはもちろんそこに至るまでの道や建物もちゃんと実在していました。自動販売機の品揃えまで記憶と一致しています。
ちなみに友人達に聞いても何も覚えていないというか、「お前疲れてたみたいで、さっさと一人で寝たで」ということでした。
以上は実話なのですが、この話を人にすれば「怖い話」「不思議な話」として片付けられてしまうと思い、嫁ですら話したことはありません。
多分ですが、僕は一度あの時死んでいます。
じゃあ今いるこの世界はなんだという話になりますが、僕はそれ以来ここは「オマケのボーナスステージ」であると考えるようになりました。
オマケなので、やりたいことやらなきゃ損です。何かの気まぐれで与えられた命なら、またいつ取り上げられても不思議じゃないので。
ちょっと変かもしれませんが僕の行動原理はこの経験に基づいています。与えてやった命でなにかを成し遂げろとか特に言われてないので、それでいいのかなと。
もしくは貴重な残機が1減ったのかもしれませんが、同じことです。
以上、今週のお題「人生最大の危機」でした。危機っていうか死んでますけどね。
とりあえず霊感女のおっぱいはその後揉んでみましたが、大したことなかったです。
肉とニンニクと麺
私事ですが、先日から嫁と子供が実家に帰ってしまいました。
仕事にかまけて家庭を顧みない自分に愛想を尽かして... ということではなく、単に法事やらもあってちょっと早めにお盆の帰省をしているだけです。お盆3日目には合流する予定になっています。誤解を招く冒頭の書き出しになってしまったことを深くお詫び申し上げます。
さて、要するに僕はいま束の間の独身生活を楽しんでいます。
別に普段が楽しくないというわけじゃないし、嫁子供が家に居ないのはもちろん寂しいのですが、「夫」あるいは「父」という肩書きから解き放たれた休日というのは他の何物にも代え難い貴重なものです。
一日中だらだらするというのも素敵なのですが、ここは何か今しか出来ないことをするべきです。ちなみに前回 (半年ほど前) は映画館に行きました。
※その時の記事はこちら。
さて、そんなフリーダムなお盆1日目ですが特に事前のプランもなく、またうっかり若干の二日酔いで迎えてしまいました。
朝起きたらしばらく洗濯機を回しつつダラダラしてたんですが、お昼をどうしようかと考えていたら突如天啓を得たのです。
そうだ、二郎にいこう
割と家の近くに、以前から気になっている看板があります。
肉とにんにくと麺
素晴らしいですよね。おおよそ人が求めてやまないものが端的に凝縮されています。これで心動かない人間はいるのでしょうか?
もしかして宗教施設かなと思いましたが、意外にもラーメン屋です。というか恐らく二郎系であることは僕の長年の経験から嗅ぎ取っていました。
場所はこちら
僕の家からもそう離れていないのですが、あまり普段は行かない方面になります。いつも電車通勤なんですが、たまたま社用車で帰宅するときに見つけてしまいそれ以来ずっと気になっていました。
普段は小さい子連れということもあってラーメン屋にはなかなか行けないのですが、ちょうど嫁子供は早めに帰省していて僕一人です。今しか無い。おまけに「肉とにんにくと麺」です。どう考えても今しか無い。
というわけで行ってきました。
まず、てっきり店名が「肉とにんにくと麺」だと思っていたのですが、「ミゾグチヤ」さんというちゃんとした名前があるようです。よく見たら看板の下の方にもちゃんと書いてますね。
なんか聞いたことあると思ったら、すぐ近くに「三代目 溝口屋」というどこかのイケメンブラザーズみたいな名前のラーメン屋があります。のれん分けとか姉妹店の位置付けなんですかね。本当に兄弟だったりして。
「三代目 溝口屋」は名古屋では希少な二郎インスパイア系らしいので一度行きたいと思っていたのですが、その系列ならば看板から二郎系と嗅ぎ取った僕の勘はやっぱり正しかったということになります。
それほど大きくない店内に入るとカウンターが10席ほど、それに小上がりのお座敷席が一つありました。
入り口近くに食券機があるのですが、メニューは基本「肉とにんにくの麺」「ラーメン」「汁無し麺」の3種類。
それぞれサイズが大中小から選べ、あとはトッピングやご飯系、飲み物といった比較的シンプルな内容です (写真撮り忘れた)
初見なのでまずは看板にもなっている「肉とにんにくの麺」の中盛り (800円) にしました。どうでもいいですが表の看板は「肉とにんにくと麺」なのに、メニューは「肉とにんにくの麺」なのですね。
ちょうどカウンターに1つ空きがあったのでそこに座り食券を親父さんに。お店は親父さん一人で回しているようです。
セルフの水を汲んで、入り口にあった「はじめの一歩」を読んでいたら隣の人が注文したラーメンが出てきたのですが、見まごうことなき二郎系ラーメンです。むっちゃ美味そう。カウンターにある食券をチラッと見たらそれが「ラーメン」でした。
いったい肉とにんにくの麺はいかなる料理なのか、期待しながらはじめの一歩を読み続けました。板垣vs冴木戦だったのですが、超能力バトル漫画のようで面白かったです。
そうこうしていたらついに出て来ました。さあこれが「肉とにんにくの麺」です。とくとご覧あれ。
まるでうどんのような太麺 (好き) に、トロトロになった大量の肉、生タマネギのみじん切りにたくさんのにんにく、ショウガの香りもします。
出てきた瞬間に胃袋を鷲掴みにされたような感覚を覚えました。一秒でも早く貪りつきたい。そんな気持ちをなんとか抑えながらまずは全体を混ぜます。ふわあいい匂い。
すみません、それからしばらくのことはあまり覚えてないです。気がついたら空っぽの器が僕の目の前にありました。口の中がにんにくの味だったので、多分食べたんだと思います。
もともと本来食べたいと思っていた二郎系ではないのですが、二郎系の究極の進化を見たような気がします。複雑に絡みあっている生命の樹が生み出した一つの果実であり、奇跡ですこれは。
親父さんにお礼を言って外に出たら、絵に書いたような夏の青空でした。
35度の気温に加えてにんにくショウガの発汗作用で汗が滝のように流れてきます。たまたま持っていたタオルで汗を拭いながら、僕はどこにでもいけるしまだ何にだってなれる、ネットは広大だわ。そんな事を考えていたのを覚えています。
今日、ここにきてよかった。そんなスピリチュアルな体験をしたという話でした。やっぱり宗教施設だったのかもしれない。
とりあえずいい夏休み1日目になったので、嬉しくなって書いてしまいました。次はラーメンも食べてみたいと思います。
ちなみに、朝起きたら枕がえらい臭いになっていたので今洗濯中です。
以上です。
ミゾグチヤ
〒465-0021 愛知県名古屋市名東区猪子石2丁目501
070-5336-8111
https://goo.gl/maps/GHT8cPqPscUuPcWA8
とんかつとんかつDKY
暇だったので目的もなくネットしていたら、ファミレス(ガスト・ジョナサン・デニーズ) のとんかつを比較する記事があった。
ファミレスの「とんかつ」食べ比べ ガスト、ジョナサン、デニーズの違いは? | マネーポストWEB
なぜその3社だけなのか。ココスやロイホ、ジョイフルはどこに行ったのかと若干の憤りを覚えつつも、まあそれはいい。
それぞれのファミレスで、きっと美味しいとんかつを提供できるよう色々な工夫や努力をしているのだろう。上記の記事を読むだけでもその片鱗が窺える。
だが、僕の主張というか偏見なんですが、わざわざファミレスでとんかつ食べる必要がどうしても感じられないのです。
まず、僕にとってとんかつというのは特別な食べ物である。祝祭的といってもいいかもしれない。食べ物ヒエラルキーというものがあるならかなり上位に位置するメニューである。
とんかつは何かいいことがあった時や、別に何もなくとも日常のささやかな幸せを感じるためにちょっとした贅沢として食べるメニューという位置付けなのだ。
美味しいとんかつ屋さんを知っているか、また近くにあるかどうかで人生の充実度や幸福度ははかなり違ってくると思う。
また家で食べる場合でもとんかつというのは割と手間のかかる料理である。家族への愛がなければまず作る気にもならない。
普段台所にすら立たない無能は「買ってきた肉に衣をつけて揚げるだけだろう」等とのたまうかもしれないが、敢えて言おう、DKYであると。
DKY: (D)だったら (K)君が (Y)やりたまえorやってみろ
ちょっと昔の海外駐在者がよく使う隠語。他にOKY (お前が来てやれ) やOKO (お前もここにおったやろ) といったのも。今でも言うのかな。
とんかつに話を戻す。
祝祭的メニューであるとんかつはしばしば「勝つ」の験担ぎで食されることもあるが、勝負がスポーツでも勉学であっても直前に食べることは流石の僕でも推奨できない。胃もたれするので。終わってから美味しく食べるべきだ。
適量なら問題ないといわれるかもしれないが、その意見は却下である。とんかつはお腹いっぱい食べるものと宇宙のルールで決まっているので。
この記事には特にオチも用意しておらずただ単に「とんかつ美味しい」「とんかつ食いてえ」と言いたいだけなのだが、書いてるうちにちょっとしたとんかつにまつわるエピソードを思い出したので残りのスペースで語らせてもらう。
もう8年以上も前の話だが、嫁にプロポーズしてご両親の家に挨拶しに行った時、すごいご馳走で迎えてくれた。
わざわざ当日の朝にちょっと離れた漁港まで出向き新鮮な魚を買ってきてくれたらしく、大量の刺身や煮付けなんかを用意してくれたのだが、魚料理の後にとんかつまでたくさん揚げてくれた。
メンバーは4人なのに、やや小ぶりとはいえ10数枚のとんかつである。すでにお腹はいっぱいになりつつある状態でこの量は尋常ではない。
これは「このくらい食えない軟弱者にウチの娘はやれん」という試練ではないか、あるいは「せめてご飯には不自由しないよう、娘を頼みます」というメッセージなのか。例えそのどちらでも僕に出来ることは残さず食べる事だと思い、頑張って食べた。モリモリ食べた。
それからしばらくして結婚式も無事終わり、なにかの拍子に親族が集まっている際になんとなくその時の話になった。
そしたらどうも僕がたいらげたとんかつはまとめて揚げておいてその日の夜ご飯にするはずだったらしい。そんなわけで「えらい大飯食らいの婿が来た」と親戚内で少し心配されていたとのこと。先に言えや。というか皿に出すなや。そんなん食うてまうやん。そら食うてまうやん。
そういえば、今日はお義父さんの命日だ。
命日に合わせて嫁は子供とちょっと早いお盆で先に帰省している。せっかくなので今日はとんかつにしようかと思ったけど、家族が揃っているときにしようと思ってやめた。だって、とんかつはみんなで美味しく食べるものなので。
そうめん
「夏休み」と言えば「そうめん」だと思うのですが、まずこれに異論ある非常識な人はいますか?いないですよね?オーケー、では
「夏休み = そうめん」
という前提で話を始めさせていただきます。まあこの一文まったく要らないんですけど。
そうめんの良さはなんといってもその手軽さです。
小鍋 (フライパンでも可) にお湯を沸かせば2分ほどで茹で上がってしまう。多少の洗い物は出るけどカップラーメンより早く出来るって凄くないですか?
冷たくて細くツルツルとしたそうめんの食感は食欲が無いときにもすんなり胃に収まってくれますが、そもそも暑いと食欲以前に「メシ作るの面倒モード」に陥りがちです。そんな時に短時間で作れるそうめんは本当に有難いです。
20xx年、人々を苦しめた「そうめん禁止令」が長い戦いの末に撤廃された。これを一番喜んだのは、子供が夏休みに入ったら毎日昼ごはんを考えなくてはならない主婦達であった (想像)
そうめんは食べ方もその時の気分とか家にあるものでいろいろアレンジ効くのがいいですよね。
というわけでお待たせしました。これより「第1回 : 誰にも頼まれていないけど紹介する独断と偏見で選んだ美味しいそうめんの食べ方 Best 3 +α」を特に意味もなく突然発表したいと思います。
第3位 「豚ナス汁つけそうめん」
そうめん☆彡 by たうんびー 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが334万品
わざわざ冷たくしたそうめんを温かいつけ汁で食べるというのも乙なものです。ナスと豚肉で栄養がしっかり取れるのもいいですね。夏野菜のオクラやミョウガなんかもとても合います。
ラー油を垂らして生卵入れたりするとまた違う味わいに。旨し。
第2位 「ビピンそうめん」
ダイエットに!甘辛すっぱいピビンそうめん by ななまま 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが334万品
そうめん自体はいくらでも食べられるんですが、麺つゆって結構飽きません?飽きますよね。甘さが鼻に付くようになるというか。
一応我が家では冷蔵庫に常に最低2種類の麺つゆを置いてます。ちなみに濃縮タイプとストレートタイプがあると普段から色々応用効くので捗ると思います。
でも多少味が違ってもベースは同じなので、たまにこういう変化球があるとまた新鮮な気持ちでそうめんに向き合うことができるってもんです。
上記のレシピそのままでもとても完成度高いのですが、具を工夫したり、調味料の量や種類を変える事で毎回一期一会のビピンそうめんが出来上がります。オススメ。
第1位 「名も無きそうめん」
オリジナル、というか料理ですらありません。
そうめん茹でたら普通に冷水で締め、器に入れて納豆と魚の缶詰、生卵(全卵)をイン。
魚の缶詰はサンマや鯖、イワシなんかがおすすめです。
冷蔵庫にあるネギ、ゴマ、大葉、ミョウガ、カイワレなどの薬味 (なくてもいい) を適当に入れたら、麺つゆとお好みで七味をぶっかけて完成。
作業時間はお湯が沸いてから約3分。あ、冷蔵庫にキムチとか、キンピラとか煮物なんかが残ってたらだいたい美味しいのでそいつらも入れてやって下さい。
ホントこれ独身時代によく食べました。ちなみにダイエットにもいいです。これと豆腐と野菜スープで -10kg 余裕でした。いまじゃもう影も形もくびれもないですけどね。
番外
茹でたオクラに生のきゅうりとミョウガ、大葉と梅干しなんかを全部細かく切って、麺つゆに浸してしばらく置いたやつをそうめんにかけると麻薬かと思うくらい美味しいです。ご飯や冷奴にかけても最高。
※ 見た目は「山形だし」に近いんですが、これ名前あるんでしょうか?昔からなんとなく作っています。
なぜこれが番外かというと、この季節(夏)にしか最高の味にならないからです。別に他の季節でも作れるんですけど、素材命の料理なので、太陽をたっぷり浴びて育った旬の夏野菜で作った味を知っちゃうと他の時期に作る気にはならないですね。
この「山形だしもどき」と「夏野菜のキーマカレー」はこの時期の贅沢です。ぜひお試し下さい。
話が夏野菜にそれましたが、それでは皆さんもよい 夏休み=そうめん をお楽しみ下さい。
以上です。
今週のお題「夏休み」
なろう小説布教活動 その3
「リビルドワールド」の更新はまだか。
いや、書籍化やコミカライズできっと作者さんも忙しいと思うので、焦らず無理のないペースで再開してくれたら良いです。続きを楽しみにしてます。
祝、書籍化!(今更)
というわけでまた「リビルドワールド」を待っている間に読んだ小説の中から良作をいくつかご紹介したいと思います。
1) 崩壊した世界の片隅で
2) 僕と彼女と実弾兵器(アンティーク)
3) 廃棄世界物語
以上の3作品です。
ちょっとポストアポカリプスものに偏りすぎてる気はしますが、好きなんだから仕方ない。
※ポストアポカリプスとは...
終末もの(しゅうまつもの)あるいは破滅もの(はめつもの)とは、フィクションのサブジャンルの一つで、大規模な戦争、大規模な自然災害、爆発的に流行する疫病などの巨大な災害、あるいは超越的な事象によって、文明や人類が死に絶える様を描くもの(Apocalyptic fiction)、あるいは文明が死に絶えた後の世界を描くもの(ポスト・アポカリプス、Post-apocalyptic fiction)である。
ちなみに3作品とも未完結。実弾兵器は長い悠久の時を越えてつい最近執筆再開したみたいです。
どれもとても面白いので、それぞれのどこがいいとか悪いとかの講評はここではやめておきます。でも共通していえるのはみんなキャラクターがとても魅力的なので読んでいて飽きないということですかね。
今日は台風で雨も止みそうもないし、やることもないのでまたいろいろ読み進めようと思います。
そろそろ書く方にも回ってみようかな。なんちゃって。この文章力じゃ無理か。